第24章 誕生日
「ただいま。」
「おかえり。兵長にお礼言えた?」
「うん、なんだかちょっと拗ねてて……すごく、可愛かった。」
「………兵長に可愛いとか言えるの、ナナだけだよ。」
二人で笑い合ったあと、リンファがベッドの脇の引き出しからなにかを取り出した。
「―――――誕生日、おめでとう。」
「え?」
「え?ってなんだよ。誕生日プレゼント!」
リンファは私の手をとり、小さな包みを手に乗せた。
「え、だって………こんなお祝いを考えて、準備してくれただけで充分すぎるほどなのに。」
「あたしが贈りたいの。」
「………。」
手元の包みを開けると、キラキラ輝く石で彩られた、髪を束ねるための髪飾りが出てきた。
「わぁ……!きれい………!」
指でつまんで光にかざすと、いろんな石がそれぞれの輝きを放つ。初めての友達からのプレゼントに感激していると、リンファが結っていた自分の髪を解いた。
その手には、同じ輝きの髪飾りがあった。
「………ガラじゃないんだけどさ。女ってほら、おそろいとかするじゃん。その、あたしもやってみたかったっていうか………あんたと、同じ気持ちでいれる気がして………。」
リンファは頬を赤らめている。あぁ、この人もなんでこんなに可愛いのだろう。
私の周りには、愛おしい人が多すぎる。
「嬉しい!!!!」
思わず私はリンファに抱きついた。