• テキストサイズ

【進撃の巨人】片翼のきみと

第251章 〈After atory〉紲 ※




―――――――――――――――――




「――――ぁ、は………ッ………」





理性という箍を外してしまえと、いつもより多少強引にナナの肌を暴いて吸う。

いつ抱いても、甘い肌だ。

こんなにも肌の質感が俺とはまるで違うのは、細胞から違うんじゃねえかとすら思うほど、舐めれば甘くて……嗅げばいい匂いがして……触れれば心地よい。そういや発情期の猫なんかは、オスを惹きつけるそういう匂いを発すると言うが……ナナはまさにそれだ。

ただ少し癪なのは、その匂いも俺だけに作用すりゃいいものを……街を一人で歩けばクソ野郎どもに声をかけられる。



――――それに、指に揃いの指輪を通したとはいえ俺たちの間柄はいわゆる “事実婚” であり、世間一般には婚姻したことにはなっていないからか、いまだにナナを嫁にと狙う奴はいる。ようやく厄介な貴族界隈の野郎どもがこの島の変革で弱体化したとはいえ、今度は貿易が盛んになってきたことで莫大な富を得た商家の野郎どもがナナと……あわよくばエイルも手中にしようと必死だ。

ナナはオーウェンズという名家の出であるということに加え、最年少で医師になった少女だったという話題性、そして何より旧体制の最高権力に近い公爵が欲しがった女であるということが何より、貴族に対しての身分コンプレックスを持つ商家の奴らにとっては格好の “最高級の装飾品”となる存在らしい。



――――クソが。

どいつもこいつも……ナナやエイルをまるでモノみてぇに考えやがって。

――――誰もどうにも、手出しできねぇようにしなけりゃな。そう、準備していたことがようやく整った。それをこの機にナナに……伝えようと思うが、いかんせん今はもう理性もなにもなくナナを食らいつくしたいという欲望で自分を制御できそうにない。

/ 3820ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp