第249章 〈After story〉証
パラディ島に戻って数か月。足のリハビリも順調で、ゆっくりだけれど一人で歩けるようにもなった。私たちは3人で、トロスト区で暮らしている。
その日は少し、蒸し暑い日だった。
エイルを通い始めた学校に送り出してから部屋に戻ると、リヴァイさんからの思わぬ申し出があった。
「ナナ、今日の予定は特に急ぎのものはないか?」
「??はい、特には……お買い物に行って、掃除と洗濯……くらいで、いつも通りです。」
「お前と行きたいところがある。」
「はい……?」
「あとついでに買い物も済ませて帰るか。」
「はい、いいんですか?リヴァイさんもせっかくのお休みなのに……。ゆっくりしてくださっていいんですよ?」
「――――いい、素直に甘えろ。掃除も洗濯も俺がやる。お前が休んでろ、たまには。」
少しだけ、不安になった。
私は家事をするのが正直……苦手で、もしかしたら掃除も洗濯も、リヴァイさんの求める質でできていないから……リヴァイさんがやると言ってくれているのかもしれないと思うと……恥ずかしくなる。
「……あの、掃除とか……良くないところは教えて欲しいです……。」
「あ?」
「――――情けないですけど、あなたに “家事も任せられない妻” だって思われたく、なくて……!」
「………なんのことだ。」
「あっ……、リヴァイさんが全部引き受けようとしてくれるから、私の……やり方が良くないのかな……って……思って………。」