第248章 〈After story〉腕 ※
「うふふ。」
「――――可愛い。ナナ。無理だ、もう一度抱かせろ。」
あぁ駄目だ、と息を吐きつつまたナナに覆いかぶさると、ナナはにんまりと目を細めて生意気この上ないことを言う。
「ふふ、はい。――――一度で済むんですか?」
「………上等だ。」
「――――嬉しい。いっぱい、しましょう?」
「………っ………この天然エロ妻が……!」
俺ががぶ、と首筋を甘噛みすると、きゃ!と楽しげにナナが声をあげる。
夫婦になって毎日一緒にいりゃ、少しは慣れてきてナナが可愛いだとか色っぽいだとか欲情しちまうだとか、そんなことは減っていくのか?と想像してみたりもしたが……とんでもねぇ誤算だった。
ナナがあまりに幸せそうに笑うから、毎日毎日愛しいと思う熱量は増すばかりだ。
――――溶けるほどの多幸感に酔いしれて………ナナと繋がりながら耳元でその言葉をこぼした。
「――――……ナナ………俺は―――――幸せだ。」
ナナは驚いた顔をしてから満面の笑みで俺を引き寄せ、またがぶがぶと色気のないじゃれたキスをしながら、その合間に生意気な目を向けた。
「知ってます!」
――――お前には適わねぇよ。一生な。
〈After story〉腕 ~Fin~