第248章 〈After story〉腕 ※
この傷を目にすると、リヴァイさんはとても苦しそうな顔をする。自分が守れなかったからつけた傷だって、思ってる。
――――その顔をさせたくなかったから……。
でもなぜいつも、皆まで言わずともわかってしまうのだろう。それはきっとあなたが、いつでもどんな時でも私のことを考えて、理解しようとしてくれているからなのだろう。
そんな存在がこの世にいてくれて……毎日私を呼んで笑顔を向けてくれるこの毎日が、怖いくらいに幸せで……。どうにかこの人の人生を、微力ながら最高に素敵に彩りたいと、そう思う。
「――――お前は優しいな。」
リヴァイさんがふっと笑って、私の頭を撫でる。
――――駄目だ、もう。
私は体を起こして思わずリヴァイさんに抱きついて、恥も外聞もなくただただ心のままに乞う。
「……リヴァイ、さんっ……もう、無理……!」
「あ?まだお前が自分でイくところまで見てから――――」
「だめ。もう欲しいの。」
「………!」
「リヴァイさんが悪い……、私をそうやっていつまでも……っ……夢中にさせる、から……!」
「おい……ナナ……。」
私はそのままリヴァイさんを反転させて押し倒した。
きっと力づくで私をさらに押し返して、好きにできたのに……結局は私の我儘を、リヴァイさんは受け入れてくれる。
はぁ、はぁ、と息を荒げて、ネグリジェを脱ぎ捨て――――纏っているのはガーターリボンだけだ。
月明かりの下で自ら服を脱ぎ捨て、男を組み敷いて行為に及ぼうとする女。
――――あぁ知らなかった……私の中には、まだまだ私が知らない……あなただけが目覚めさせることができる私がいる。