第248章 〈After story〉腕 ※
あぁ、好きだ。
とっても。
好きで好きで、どうしようもない。
その昂ぶる感情をどうにもできなくて、私はその目の前の愛しい人をまた引き寄せてがぶ、と唇を食べた。
がぶ、がぶ、と角度を変えながら何度も口づけて……その合間に、抑えきれない感情を吐露する。
「……っキス、し、たい……っ……!」
「……は……もうしてるだろ……というより、食われてるな、俺が。」
リヴァイさんは満足げに、悪戯に笑む。
「食べちゃいたい……、リヴァイ、さん……。」
「――――食えよ、好きなだけ。待たせちまったみてぇだからな。」
息が弾む。
はぁ、はぁと大きく息を吸って吐く音が2人分重なって、リヴァイさんの手が胸に、腹部に降りていって……悦いところを擦られるとビクッと体が跳ねる。そして何やらリヴァイさんが楽しげな表情をしながら体を起こして、私をサディスティックな目で見降ろした。
「――――せっかくだから――――見せてもらおうか。」
「――――……え………。」
「お前は一度俺の情けねぇ姿も見てることだしな。これでフェアだろ。」
「えっ………。」
リヴァイさんはそう言うと、着ていたシャツを脱いで私にずい、と差し出す。
リヴァイさんの情けない姿……というのは……私が身ごもっている時にリヴァイさんが自慰をしているところを見ちゃってお手伝いに至った……あのこと、だろうか……。だとしたら、ものすごくものすごく嫌な予感しかしなかった。
「――――ほらナナ、お前がやってたように、やれ。」
「……そんな……。でき、ない……!」
「どこを弄る?――――ほら、見せろ。上手くできたら……くれてやる。本物の俺を。」
カチャ、とベルトを解いてまたそれを解放して……反り立つそれを淫靡に手で上下に擦りながら私の下腹部にとん、とん、と当てる。
――――今すぐ、それが……欲しい、のに……。
そこにある、のに……。
ぐわん、ぐわん、と目が回るような、色欲に思考が支配されていくような感覚に頭がショートしそうだ。
「――――なぁナナ。お前が俺を想って愛らしく乱れる姿を、見せろ。」
耳元で悪魔の囁きが、聞こえた。