第240章 結末
「……あ、巨人化した時に……修復した……?のかも……。」
「…………。」
何の因果か……、あのタイミングで巨人化してなければ、ナナは外傷からの出血多量で死んでいたかもしれない。ナナは眉を下げて俺の体の傷をあちこち心配そうに見つめながら、ハッとした顔で言った。
「リヴァイさんの方が重傷です!手当します。まだ飛行艇の中に医療用具も――――」
せわしなくまた立ち上がろうとするナナを、また俺は引き留めて抱き締める。
「後でいい。察しろ。馬鹿野郎。」
「え……?」
「お前が言ったんだろ。俺が帰る場所は……ナナ、お前の元だと。」
「!!」
ナナはようやくピンと来た、という顔で、にんまりと笑った。
「……最初からそう言えばいいのに。リヴァイさんはわかりにくいです。」
してやったり顔すら可愛いんだ……俺の、ナナは。
座ったままの俺の正面にちょこんと座って、俺の顔を覗き込みながら両手を広げる。
「――――おかえりなさい、リヴァイさん!」
その太陽のような眩しい笑顔がたまらなくて……俺はナナを強く強く抱きしめて、その唇を食らうように重ねる。
――――誰が見てようと知ったこっちゃねぇ。
帰ってきた。
もう離れなくていい。
俺たちを裂くものは――――もう、何も無いはずだ。
ナナの柔い唇を食み、何度も角度を変えて繋がりながら……お互いの体を引き寄せあう。
ようやくその熱を交換しきって、弾む息を整えながら……言いたかったその言葉を、俺は言った。
「――――ただいま、ナナ。」