第19章 不穏
「………初めてだよ、女性とこんな話をしたのは。」
茶化すようにははは、と軽く笑って見せる。
これ以上込み入った話をするのは得策ではない。
「さぁそろそろ時間だね。………リヴァイに、怒られてしまう前にお開きにしよう。」
「はい。ゆっくり、身体も休めてくださいね。最近のエルヴィン団長は………少し雰囲気が変わられた気がしていて……それがお疲れからきているものかもしれません。心配です。」
「―――――――そうか、それは心配をかけたね。……ゆっくり休むとするよ。」
調査兵団団長の仮面の下から覗かせた私の、底意地悪く欲しい物を手に入れようとする子供じみた本性を感じ取っているのだろうか。
なかなか、鋭い。
私がふっと笑うと、ナナは不思議そうに首を傾げた。
「エルヴィン団長……?」
「……君は面白いな。」
「……………?」
「おやすみ、ナナ。」