第228章 結託④
待ち焦がれた人が、帰って来た。
「ハンジさん!!!――――みんな!!!」
「ナナ、帰ったよ!」
「おかえりなさい!!」
嬉しくてハンジさんに駆け寄る。そんな私を、会いたかった人たちが囲んでくれる。ミカサ、アルミン、ジャン、コニー、そして……アーチさん。
マガト元帥との約束通りイェレナさんとオニャンコポンさんと……そしてなにより意外だったのは、ガビとファルコ、そして……ライナーに……女型の巨人のアニ・レオンハート。
彼らまで協力者として連れて来ることができるなんて、やっぱりハンジさんには……エルヴィン団長にも無かった何かがあるんだと感じる。
「――――ナナ、安心した。無事で。」
ミカサは私を見下ろしながらホッとした顔を見せてくれた。アルミンもミカサの横で小さく頷いた。
「ナナさん、良かった……逃げられたんですね。」
「ジャン、うん。大丈夫。心配かけてごめんね。」
「―――ほら、言ったろ……意外にタフなんだよ、この人……。」
ジャンの横でぼそりと呟いたのはアーチさんだ。顔色が、悪いように見えた。怪我しているんだ。
そして……アーチさんは……目の前でサッシュさんを……兄を亡くした……。
「ナナさん、アーチさんを診てもらえませんか。俺……手当とか何も、できなくて……。」
「もちろん。アーチさん、あっちで診ます。来てください。」
「……ああ、お願いします……。」
僅かにふらつくアーチさんに肩を貸しつつ、木の影に横になってもらおうと誘導すると、アーチさんが足を止めた。