第227章 結託③
マガト元帥にもらった鎮痛剤を私が試用して数時間、特に体に異変も無かった。……ユミルの民だから合わない、なんてことはなさそうだ。アッカーマンの血筋にだけ何か作用するなんてことは……可能性としては物凄く低いはず。
……それよりも、頻繁に声が漏れるほどの痛みをなんとか鎮めて……少しでも長く眠れるようにすべきだと判断し、リヴァイ兵士長に薬を飲もうと持ち掛ける。
マガト元帥は昨日薪を運んでくれてから、少しずつ手伝ってくれるようになった。
……まぁブツブツ文句は言っているけど、今も薪を拾いに行ってくれている。
「リヴァイ兵士長。」
「………ん………。」
「鎮痛剤があります。飲めば少し痛みも和らぐはずです。飲ませますから、体を起こしますね。」
「………待て、なぜ……薬が、ここに……ある……?」
「マガト元帥からもらい受けました。」
リヴァイ兵士長は僅かに視線を外に外して小さく舌打ちをする。
「――――ちっ……そんなもん、飲めるかよ……何の薬か分かったもんじゃねぇ。」
「大丈夫です、私が先に飲んでみましたから。何も支障ありません。」
私がにこりと微笑んで伝えると、その目は大きく開かれたあと、ギロリと私を睨み付けた。
――――とても重傷の人間、しかも片目とは思えない迫力で。