第226章 結託②
怪我をしている兵士が療養していると聞いた施設を片っ端から探した。そしてようやく、彼女を見つけた。
「探した……。」
多くの兵士が小さく呻きながら横たわるベッドが並んだ病室で、床に伏せたまま青く血色のない顔をこちらに向けたのはルイーゼだ。
アイビーとよく一緒にいて、フロックの側でイェーガー派として信じる道を進んでいたその強さはもう感じられなくて……死ぬのか、と思った。
「嬉しいです……私を探してくれたんですか?……それともこのマフラーを?」
ルイーゼは笑んだ。『ほらやっぱり、こうすればあなたは来ると思った』とでも言いたげに。
「あなたが持っていると思った。」
「……ごめんなさい。でも……あなたに近付けると思って……。」
この言葉が私は怖い。
私に近付いてどうしようと言うの?
私はあなたにそんなことは望んでいない。
―――今この言葉が以前よりももっと怖いのは………この気持ちを、私はずっとエレンに味わわせてきていたのかもしれないと思うからだ。
「雷槍の破片がお腹にあって……もう取り出せません……。エレン・イェーガーの創る自由な……世界を見ることができなくて……残念です。」
やっぱり死ぬのか。
でも悲しいと、泣いてあげられる感情すら伴わない自分はどれほど嫌な人間だろう。
私はただ、ルイーゼを見つめていた。
「少しだけ……イェーガーさんと話したことがあります……あなたのことで……。このマフラーは捨てて欲しいと……話していました。」