第224章 地鳴
”すべてのユミルの民に告ぐ。
俺の名はエレン・イェーガー。
始祖の巨人の力を介し
すべてのユミルの民へ話しかけている。”
ずっとずっと聞きたかったエレンの声は……いつかの明るく強気な声とは違って……どれほどの苦しみを背負っているのかと思うほど、苦しそうな声に聞こえた。
こんな遠くで、こんな苦しそうな声を、聞きたいわけじゃないのに。
苦しいなら側で一緒に考えさせて。
戦わせて。
―――――そういくら私が願っても……あなたはその心に、触れさせてはくれない。
”パラディ島にあるすべての壁の
硬質化が解かれ、その中に
埋められていたすべての巨人は歩み始めた。
俺の目的は、俺が生まれ育った
パラディ島の人々を守ることにある。
しかし世界はパラディ島の人々が
死滅することを望み、
永い時間をかけ膨れ上がった憎悪は
この島のみならずすべてのユミルの民が
殺され尽すまで止まらないだろう。
俺はその望みを拒む。”
”壁の巨人はこの島の外にある
すべての地表を踏み鳴らす。
そこにある命をこの世から駆逐するまで。”
――――その衝撃的な言葉を残して、エレンは私たちを”道”から解放した。
どうしてこんなことになったの?
それが、あなたの答えなの?
私たちを守るために――――……
パラディ島以外すべての人類を殺す。
―――――その先にあなたの言う自由はあるの?
―――――ねぇエレン。
教えて。
あなたの心の奥底を………