第207章 強
「――――今、エルヴィンに感謝したよ。」
「……何をですか?」
「――――ナナを残してくれて、ありがとうって。」
「――――っ……身に余る、お言葉です……。」
こんな私が大事な人の役に……少しでも立てるなら。
少しでもその重荷を、一緒に背負って行けるなら……、例え戦えもしない無力な私でも、命の全てを救えるような力がなくても……私のいる意味は……あるんじゃないかって、思える。
私の中の小さな蝋燭に炎が灯ったように、ハンジさんもまた……力強く言葉を発した。
「諦めない。絶対に――――……何があっても。」
「――――はい。一緒に行きます、最後まで。ハンジ団長。」
「――――ああ、頼むよ。優秀な補佐官殿。」
1人じゃ重くても。
一緒なら………超えて行ける。きっと。
――――あなたもそう思って、見守ってるんでしょう?
―――――ねぇ、意地悪な前団長さん?