第200章 魔法 ※
いよいよ作戦が走り始める。
エレンを含めた総勢46名の調査兵団は、数回に渡ってマーレへ潜入を始める。一度に大勢の兵士を送り込めばいくらなんでも目立ってしまう。
それに、潜入を開始すればすぐに戦場になるレベリオの街の構造や建物の構造、居住民の情報などをつぶさに集めなくてはならない。その情報収集に関しても一度に多くの兵士が動き出せば、必ず何かを嗅ぎつけられると読んで、1班8~9名の班に分けてマーレへ潜入する。
そもそももちろん作戦の尻尾を掴まれてしまえば終わりだということと……、私たちにこの上ない援助をしてくれているアズマビト家に僅かでもマーレから懐疑の目が向かないようにしなくてはならない。
キヨミ・アズマビト
……裏がないとは言い切れない女性だが、危険な香りはしない。――――彼女がマーレに疑われてしまえば、私たちは終わりだ。
……そして、そのもちろん彼女も、彼女の家も終わりだ。希望の光を灯してくれたアズマビト家に恩返しこそすれ、危険な目に遭わせるわけにはいかない。
そんな情に厚い事を考えているのはおそらくハンジ団長だけで……
実際はジークの意志と……エレンの意志により、作戦は徐々に徐々に、進行している。
襲撃作戦当日……それは即ち、戦争が勃発する日だ。