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【進撃の巨人】片翼のきみと

第199章 愛日




調査兵団に復帰して久しぶりに見た訓練場での戦闘訓練は……以前からは考えられない様相のものだった。

みんな、銃口の下にアンカー射出口がついた、以前中央憲兵が調査兵団を襲撃した時に使用していたという “対人立体機動装置” を装着している。替えの刃を収納する必要もなくなって、武器はもちろん銃だ。

――――そうだ、巨人の項を削ぐ必要がないのだから。

相手はあくまで人間で……それならば白刃戦よりも距離を取って戦う銃撃戦になるのは理解できる。



私も戦闘にはあたらないけれど、伝達や負傷者の手当のためにあちこちをまた飛び回ることになるかもしれないと、訓練を受ける。――――もちろん病による体力や筋力の低下は著しいけれど……なんとか一か月ほどで、足を引っ張らずに対人立体機動装置を使えるほどには勘を取り戻した。

そしてその時に――――……思いがけない人物に、再開した。







「―――――ナナさん?」







他の兵士達とは一緒に訓練できるようなレベルではないから、みんなの訓練が終わった頃に1人自主練に近い形で対人立体機動を装着して、練習をする。

陽が沈んで視界がなくなれば訓練は終わらざるを得ない。

その日も暗闇の中、1人自主練を終えて装備を外して片付けをしていると、高くて可愛らしい声が私を呼んだ。

振り向くとそこには、金髪が美しい新兵の女の子が立っている。彼女は昔の私のように長くウェーブのかかった金髪を高い位置で一つに結っていて、私はその子の目を見た時に、すぐに思い出した。

でも……そうか、初めて出会ったのはもう7年前だ。




――――そして、本当に来たんだね。



私達、調査兵団のところへ。


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