第197章 回帰
「言えよ、なぜ戻って来た?吐け。本当の理由を。ナナ。」
リヴァイさんはやっぱりわかっている。
私が娘を置いて戻ったことに、何かの理由があると踏んで……抵抗できないようにしてから意地悪く問う。
「――――こう、したかったから……。」
悪い女のフリをして、リヴァイさんに手を伸ばす。
「――――あ?」
「――――こうして、あなたの女でいたかったから。」
――――フリなのか、本心か。
もう私にも、わからない。
リヴァイさんは私の言葉を聞いて……、ちっ、と舌打ちをしてから、鋭い視線を私に向けた。
「――――本当はどういう理由で戻って来たのかお前は白状する気はないらしい。」
「――――……だから、こう、したかったんです……。」
負けじと、嘘を重ねる。
――――一度ついた嘘は貫く。
ボロなんて出さないように。
けれどそれは、リヴァイさんには逆効果だったようだ。リヴァイさんは私の両手首を掴んで貼り付けて……言った。
「――――まぁいい。また帰るしかないように、すりゃいい話だ。」
「――――え……?」
「安心しろよ。今度は不安になることもない。」
リヴァイさんの唇が、首筋から……暴かれたシャツの下の、白い双丘を這いあがっていく。
「――――間違いなく俺の子を孕ませりゃ、お前はまた王都に帰るしかねぇよな?」
「――――………。」
リヴァイさんはわずかに笑った。
でも……やっぱり怖くないの。
「――――しない、くせに……。」
私も小さく嫌味に、笑った。
それを見てリヴァイさんは少し……不機嫌に眉を寄せる。
「――――ちっ……腹立たしい。クソほど溜まってんだ、覚悟しろよ、ナナ。」
リヴァイさんは苛立った様子で私を抱き上げて、足早に私室に運び込む。
ガチャ、という鍵をかけられたその音に性懲りもなく私はまた、背徳感に塗れながらもゾクリと身体を震わせた。