第189章 鎹
「それにリヴァイさんにはやっぱり、銃より刃が似合うな。」
ふふ、と私がリヴァイさんを思い出しながら小さく笑みをこぼすと、その小さな天使は目を丸くして……よちよちとまた私の方へ戻ってきて、私の足にぎゅ、としがみついた。
私はそれをまた抱き上げて、頬を寄せる。
「――――あなたは私が守るわ。でも……この空の先に……今日も、あなたを守る私を……大事に想って、守ってくれている人が……いるの……。」
私は持って来ていた、古い一冊の絵本を開く。
繊細な線で描かれた、茨の城に眠る姫の物語。その姫を守るナイトを指さして言う。
「――――私たちのナイトはね……Levi……リヴァイさん。――――強くて優しくて……私の大好きな、人……。」
「………り、ぁい。」
「ふふ。うん、そう……リヴァイさん。」
私の指を指す先を、大きく輝く目でじっと見つめて愛しい我が子は何度もその名を口に出した。
――――会いたい。
大好きなあなたに。
でも、その時が来るまで私はちゃんとここにいる。
この子と一緒に。