第187章 海② ※
何度リヴァイさんと身体を重ねたかわからない。
その一つ一つどれもが大切な思い出。
けれどこの夜のことはもっとも鮮やかに
私の脳裏に刻まれ、一生忘れることはない。
扉の壊れた地下室。
埃まみれの狭い部屋の一室で……
寝具とも呼べない簡易的なマットの上で……
夏の名残を感じる蒸し暑い夜に
汗ばむ身体を重ねて何度も何度も彼を受け入れて
罪悪感と背徳感に押し潰されそうになりながら、
愛と欲に塗れた夜。
――――ねぇリヴァイさん。
私への想いはずっと変わらないと
言ってくれたこと……信じるから。
ずっとずっと、狡い私に捕まっていて。
―――たとえあなたが嫌がっても――……
もう放してなんか、あげないんだから。