• テキストサイズ

【進撃の巨人】片翼のきみと

第182章 泡沫②




腕を引っぱって団長室に連れて行き、ハンジが抱えている執務の約半分を半ば無理矢理奪い取った。

――――ハンジは『頼りない団長で悪いね』と、いつになく弱気な言葉を発しながらも、嬉しそうに少し笑った。




資料を自室に持ち帰り、机に向かう。

ハンジのあの頭がなけりゃ難しいような案件はあいつに任せるが……武器構想の資料なんかは、俺の得意分野だ。




仕事をより分けながら着手して、3時間ほど経った頃、ある資料を調べようと、自室の本棚の引き出しを開けた。





――――そこにあった、忘れ去られたような小さな真っ白な箱が目についた。








「――――そういや、しまったままだったな……。」









その小さな箱を手に取ってみる。

が、おそらくこの出番はもうない。売るか捨てるか……何か別の物に変えるか……、あの愛想のいいオヤジなら快く応じてくれそうだ。








「――――ナナが戻ったらまた、一度顔を見にいくか……。」








またその小箱を引き出しに戻して、山のような資料と向き合いながら……ナナのいない一日を早く終えてしまおうと、団長代理の執務に没頭した。







/ 3820ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp