第176章 処
「俺ならこんな華奢な鎖じゃなく、お前を完全に閉じ込めて繋ぎとめられる鎖のついた首輪をつなぐ。」
「――――一緒に帰る部屋がみつかったら、そこに、私を、繋ぐの……?」
「――――それもいいな。」
「………嫌って、言ったら……?」
「――――言わせない。」
また激しく唇を吸われて、乱されて……、気付けばベッドに組み敷かれて、リヴァイさんの熱が私を包む。その熱で頭が沸きそうな中で思う。
リヴァイさんはいつも怖いことを言うけど……結局は誰より私を尊重してわかりにくい優しさで包んで愛してくれる。
私を物理的に繋ぐことなんてしない。
――――でも見えない鎖でずっと私の心を繋ぎ続けてる。
もうそれはずっと……時計塔であの日、あなたが私を見つけてくれた日からずっと……、鎖は太く重くなるばかりで。
あなたの中でも、そうなのかな。
エルヴィンのくれた美しくて細くて、ずっと輝き続ける鎖は、ずっと私の胸に光らせる。
リヴァイさんは約束は守ってくれる。
きっと今、私を抱く時に目につく度にエルヴィンの顔が浮かぶから外したんだ。
――――リンファの髪飾りといい、意外にもまるで“モノ”にも魂が宿っているような考え方をするんだな、と少し微笑ましい。これもリヴァイさんの “変化” だと思う。
どれだけ世界が変化しても……私をとりまく環境も……―――心や体が変化しても……変わらずに在る、あなたへ向ける想い……あなたから受け取り続ける想い、それこそが永遠の愛?
あなたが最期に出した難題はまだ、今の私には正解がわからない。
いつか分かる日がくるかな?
―――――――ねぇ、エルヴィン。