第172章 情炎　※

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―――――本当はナナが好むような、甘く、幸せだと感じさせられる抱き方をしてやりたかった。



―――――だが、ナナの変化に、戸惑いと嫉妬と焦燥と興奮と――――………色んなものが入り混じる。

優しく抱く、なんて甚だ無理な話だった。

ナナの身体の変化も、感度の変化も、喘ぐ顔も、声の変化も………全てが黒くどろどろとした淀んで汚ねぇ嫉妬心と支配欲を増幅させるのに十分だった。




ナナを揺さぶりながら見下ろして、体の隅々まで観察する。



立体機動も戦闘も他の兵士と共にやってのけていた時から思えば、随分変わった。

この身体も。

しなやかで柔くても筋肉がついていて適度に引き締まっていたあの頃から、その筋肉もすっかり落ちて痩せて………、それなのに“女”を主張する胸と腰からケツのラインは丸みを帯びていて、それがまた欲望を掻き立てる。

折れそうに細い首から浮き出た鎖骨と、その華奢さにそぐわない豊かになった乳房。

相変わらず触れるとすぐ立ち上がる乳首は、まるで男を知らないとでもいうような色素の薄い、綺麗なピンク色のままだ。

それを指で弾くと、小さく吐息を漏らす。





「――――んっ……。」



「――――エロい体しやがって………。抱き潰してやるからな……！」






ぎゅむ、とまた胸を鷲掴みにして、咎めるように意地の悪い視線を刺す。

それに、指でイかされるのはあまり好まなかったくせに、今では簡単に潮を吹いて達しやがる。

俺が噛んだ傷跡にまた舌を這わされて、命を握られて――――こいつは、興奮していた。