第157章 ウォール・マリア最終奪還作戦④
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背中越しに、何かが大きく爆ぜる音がした。
その直後にズシン、と大きな何かが崩れ落ちる音。
―――――やったのか、みんな。
ライナーを。
―――――俺は、超大型の……ベルトルトの背後、頭上に舞った。
ベルトルトがアルミンを焼き殺して―――――、アルミンの身体は無残に投げ出された。
ベルトルトの目線が壁の下に移され、どうやら気付いたようだ。俺の巨人体は………硬質化の偽物だと。
俺本体はとっくに巨人体から抜け出し―――――お前の背後で、お前を断つ刃を振りかぶっている。
「―――――殺った。」
―――――待ってたよ、この瞬間を………3カ月前、トロスト区で仕留め損なったお前を―――――今度こそ、ぶっ殺す。
――――償え、お前らが今まで奪ってきた命全てに。
返せよ………!
渾身の力で振り抜いた刃は、手足を捥いで四肢を切断した。
なんの抵抗もできない状態で、奴を引きずり出した。
作戦は成功した。
―――――アルミンの命と、引き換えに。
「クソ……、わかってたはずなのに……。お前が誰よりも………勇敢なことぐらい…………。」