第156章 ウォール・マリア最終奪還作戦③
「―――――愛してるって、言ったの?」
そうだよ……だって戻って来ないと、もうあなたは私なしじゃ生きられないでしょう?知ってるもの。
私のことを愛しすぎているあなたは――――……もう片翼の私がいないと、この残酷な世界を生きてなんていけない。
だから戻って来る。
私の元へ。
そうだよね?
この―――――片翼に誓って。
あなたが帰巣する場所は、私なんだから。
「――――怪我は、してない?」
僅かに過る不安が口に出ていた。
遠くの空の下にいるエルヴィンに向かって、その声は届くのかな?
―――――怪我をしてるなら、早く戻って来て。
治すよ、私が。
でももし兵士として再起出来ない程の怪我なら――――……どこかの街で、静かに暮らそう。
世界が滅びるその日まで。
命尽きるその日まで。
――――――ううん、あなたが言った通り……命が尽きる時も一緒に。
私は胸元に光るネックレスをまた、両手で大事に祈るように包み込んだ。
「―――――待ってるよ。片翼のきみを。」