第155章 ウォール・マリア最終奪還作戦②
ベルトルトが街の中央の空高くに飛び上がった。
来るか。
爆風に備えて体勢を低く取ったその瞬間、強大な爆弾が爆ぜたような爆発が起こった。
「――――っ………!」
ハンジ、エレン、アルミンは――――他の兵士達は無事か……?!そのバカでかい図体を起こした超大型は、纏う高温の蒸気で当たりの家屋に火を放ち―――――街を蹂躙し始めた。
「――――さぁどうする?獣の巨人。全ては作戦通りか?」
内門の方に目をやると、小型の巨人を討伐するために各班が先陣に出た。
その瞬間、獣が―――――動いた。
なんだ。
あれは―――――何かをまた、投げるつもりか。
気付いた時には―――――大量の岩が弾丸のように、立体機動で巨人と戦う兵士たちを、巨人もろとも貫いた。
「―――――!!!!前方より砲撃!!!!総員物陰に伏せろおぉぉ!!!」
続いて振りかぶった獣の手から放たれた大量の石つぶては――――その速度からあらゆる家屋を薙ぎ払い、あとの数弾でここはもはや更地と化す。そんな様相だ。
――――消耗戦などではなかった。
端から――――
奴らの頭にあるのは、我々の完膚なまでの殲滅だったのだ。