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【進撃の巨人】片翼のきみと

第155章 ウォール・マリア最終奪還作戦②




ライナーが俺を追って来た。

アルミンの言う通り、まだベルトルトが壁付近に潜んでいる可能性がある。壁から距離をとって―――――そこで、迎え撃つ。



大丈夫だ。

俺は俺だ。

何も特別な力なんてない。



ただあるのは―――――がむしゃらに砥いできたこの牙。

お前たちを殺すために訓練を重ねてきた。

――――単純な格闘能力なら、俺はお前に勝ってる。







ライナー。







ライナーの鎧を打ち砕くために、拳を硬質化させる。その隙をついてライナーの渾身の左が風を裂いた。反射速度も五分だ。寸前のところで身体を右に捻ってそれをかわす。

鎧はその図体のデカさと重量により、俺の巨人体よりも若干動きと動きの間にタメが生じる。

次の一手も、読みやすい。

ライナーが体勢を持ち直して再度左を打つ、それをかわして―――――渾身の右ストレートをその顔面に打ち込んだ。





なぁライナー……ここがどこだかわかるか?





お前が今踏みつけた道も井戸も家も――――……そこに生活があった。

暮らしがあった。

俺の……俺達の故郷があった場所だ。










―――――取り返してやる。










お前らをぶっ殺して―――――お前らに奪われたすべてを。










勝てる。

ライナーを殺せる。

そう油断した一瞬の隙をついて、ライナーは俺の足を掴んで引きずり倒した。覆いかぶさって振り上げられた拳を避け、その腕を掴んで――――関節を砕いてやる。

抵抗の末俺の関節技から抜け出たライナーに、雷槍を装備したハンジさんとミカサが接近する。







――――そうだ、喰らわせてやれ。






ライナーの両目に刺さった雷槍の固定ピンを抜くと、とんでもない威力で奴の両目を吹き飛ばした。

それを合図に、ジャンもコニーもサシャもさらにライナーの項に雷槍を打ち込む。同時に何本も雷槍を喰らって、いくら鎧でも無事に済むはずはない。ライナーの項の硬質化は剥がれ落ちた。




―――――今なら、殺せる。



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