第13章 戦友
遺品を届けるための特別調整日を申請しに来る兵士は多かった。私は彼らの名前を一覧に起こし、そこに自分の名前を追記した。
アルルのご両親に会いに行く。
そう決めたから。
その一覧をエルヴィン団長に提出すべく、団長室に向かった。扉をノックすると、思ってもみない声で返事があった。
「エルヴィン団長、ナナです。」
「………エルヴィンは不在だが……入れ。」
リヴァイ兵士長だ。
「リヴァイ兵士長……?エルヴィン団長は………?」
「じきに戻る。待ってろ。」
「はい………。」
私はエルヴィン団長の机に、遺品を届けるための外出者リストを置いた。リヴァイ兵士長がリストを手に取り、目を通す。リストを再び机に置くと、ソファに腰かけた。
「お前も行くのか。」
「……はい、アルルからご両親のことは聞いていましたので……。」
「………俺も行こう。」
「え?」
思わぬ言葉に、驚いてリヴァイさんのほうを見る。
「アルルの最期を見届けた。勇敢だったと、俺の口から伝えたい。」
「それは……ご両親も、少しでも救われるかもしれません………ありがとうございます………。」
私は、深々と頭を下げた。彼の仲間思いなところを尊敬してやまない。
それから数日後、私たちはアルルの両親の元へ向かった。