第143章 我儘
『お前は大丈夫だ。』
『お前が必要だ。』
何度も何度も自暴自棄になりそうな私を奮い立たせる魔法の言葉をくれたリヴァイさんだから――――……死ぬから離れろ、じゃなく……側にいろって、死ぬなって、言って欲しかった。
あなたの言葉は――――、まるで魔法みたいに、現実になるから。
とめどなく流れる涙を止める術もなく、涙で滲む視界でなんとかリヴァイさんを見上げると、その表情は驚きと――――、切なさと………ありったけの愛おしさを含んでいた。
そしてその目は細められて、心の内で葛藤しているように閉じられたかと思うと―――――……体温が、体が、重なる。
いつもは両腕を背中に回して私の身体を抱くのに――――、より身体を合わせるように、私が逃げられないように、左腕で腰を抱き寄せ、右腕は力強く背中から私の後頭部まで引き寄せて――――、彼の唇が、耳元で小さく動いた。
「――――死ぬな。許さねぇ。――――生きて俺達の側で笑ってろ。ナナ。」
その言葉に、また涙で前が見えなくなる。
我儘でごめんなさい。
でもあなたが魔法をかけてくれたから、きっと大丈夫。
そう、思える。
「―――――は、い……っ……!」
それからリヴァイさんは、泣く私を切なく目を細めて見つめながら――――――――
涙が零れる度に、それを舐めとって私の頬に……目尻に、
何度も何度もキスをした。