• テキストサイズ

【進撃の巨人】片翼のきみと

第138章 悪党




「――――あれは……サッシュ?!」



「……リヴァイ兵長、ハンジさん……お疲れさまです。無事で良かった。」



「サッシュこそ……潜入捜査ご苦労だったね!おかげでここに辿り着けた……。あれ、兵団本部に帰らなかったの?」



「――――……ずっと張ってました。そして見た。ロッド・レイスとヒストリア・エレンがこの中に入っていくのを。そして――――中央第一憲兵の兵士たちが――――見たこともない立体機動装置を武装して、およそ30名以上。」





サッシュの顔が、覚悟を決めている顔だった。

――――あぁそうか。

お前もここで決着をつけようというのか。

―――――弟と。





「――――中央第一憲兵には、お前の弟が含まれるんだよな?」



「!!」



「――――はい。」





104期の面々が驚いた顔を見せる。

見も知らずの人間ですら殺すことを躊躇うこいつらが――――、仲間の弟を殺せる、はずがねぇ。





「――――リヴァイ兵長、弟は俺にやらせてください。」





その目は、もう前までの馬鹿丸出しの無鉄砲なサッシュじゃない。

経験も能力も兼ね備えて――――覚悟を決めた、兵士の顔だ。





「――――任せる。」



「……ありがとうございます。」



「――――よし、さっそく準備をしよう……!」





ハンジの指揮の元、馬車に積み込んで来た資材で武器を作り、各々も完全武装する。

サッシュの報告から行くと30人以上の手練れだ。

そして―――――ケニーが含まれる。





「――――お前ら、準備はいいか。」



「はい!!」



「――――手を汚す覚悟はできてんだろうな。」





―――――返事こそないものの、その表情は腹を括ったことを物語っていた。






「死ぬなよ。―――――行くぞ。」






こうして俺達は、礼拝堂の隠し扉から地下空間へ続く扉を蹴破った。




/ 3820ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp