第137章 革命
「とにかく!もう既に意志は下されたんだ、やるしかないだろ?!」
「扉を閉鎖すると?」
「ああ……。」
――――ナイルが初めて、自分の意志を、見せた。
「俺はウォール・ローゼ側の人間だ。扉の閉鎖は阻止させてもらう……!」
「な?!し、師団長……!王に歯向かうのですか?!」
「ああ。」
その時、更に扉が開いて――――、兵団の長が姿を現した。
「私も加勢しよう。」
「ッ……ザックレー総統……!」
「ザックレーよ。彼らの返事は意外じゃったか?」
「いいや?ちっとも。こんなことだろうと、思っておったわ。」
ザックレー総統の後に、武装した兵士が王政幹部に銃口を向けた。
――――ようやく彼らは理解したのだ。
―――――これが、革命であると。
「先ほどの報告は誤報です。ご安心ください。今現在、巨人の襲撃は確認されていません。」
「……ッ貴様!!何の真似だ?!」
「首謀者なら儂じゃ。」
「ピクシス……!」
「儂らはここで命を賭けた。あなた方の意志次第では、ここに至る反逆行為を白状のうえ全員で首を差し出す覚悟じゃった。しかし……あなた方が自らの資産を残り半数の人類より重いと捉えておいでならば……大人しく殺されとる場合じゃありますまい。」
「ッ……民衆が貴様らに従うと思うのか?!ここを制圧したからなんだと言うのだ!民衆や貴族共が黙っておらんぞ!――――この愚行が、混乱と悲劇と破滅をもたらす……!」
「――――それはどうでしょうな。見たまえエルヴィン。」
「………これは……。」