第124章 白日
「……ありえないんすけど……っ……俺の、村に――――……母ちゃんに、似てる巨人が……いて………っ……。」
「――――え………?」
心臓が、どくんと嫌な音を立てた。
「――――俺を見て、その巨人……っ……確かに……確かに言ったんです……!『おかえり』って―――――………。」
「――――………。」
「ライナーもベルトルトも巨人だった……!そして、ユミルも……っ……なら、知性のない巨人も……人間だったとしても、おかしく、ない気が……しちまって……っ………!」
「ユミル………?」
頭の中で色んなものが最悪の状態に組み上がっていく。
でも今、彼にかける言葉は、態度は何が最善だろう。
肯定も否定もできない。
「――――真実を知るために、やっぱりエレンの家の地下室に……行かなきゃ、行けないね……。」
「――――はい………。」
「……私にもわからない。だから………まずは……エレンを連れ戻して来て……!」
私の精一杯の言葉は、何て稚拙なんだろう。
でもコニーは察したようにまた、ぐっと拳を握りしめた。
「――――はい……っ……!必ず、必ずとっ捕まえて来ますよ……!」
「――――うん………。」
私の脳裏を駆け巡る残酷すぎる想像を一旦遮断するように――――
空を見上げて息を大きく吸った。