第123章 優等生
皆がトロスト区に引き上げる準備をし始めた中、ライナーが俺に話しかけてきた。
「エレン。話があるんだが。」
「……?なんだよ。」
「―――俺達は5年前、壁を破壊して人類への攻撃を始めた。俺が鎧の巨人で、こいつが超大型巨人ってやつだ。」
そう言ってベルトルトの肩をぽん、と叩いた。その言葉を理解するのに、時間がかかった。
「は……?何言ってんだお前……。」
「な、何言っているんだライナー……?」
焦ってそれ以上の言及を止めようとするベルトルトを虫して、ライナーは続ける。
「俺達の目的はこの人類すべてに消えてもらうことだったんだ。だが……そうする必要は無くなった……。エレン、お前が俺達と一緒に来てくれるなら俺達はもう壁を壊したりしなくていいんだ。わかるだろ?」
「は?!いや待て!全然わかんねぇぞ?!」
「だから俺達と一緒に来てくれって言ってんだよ。急な話ですまんが今からだ。」
「今から?!どこに行くんだよ??」
「そりゃ言えん……。だが……まぁ俺達の故郷ってやつだな。で?どうなんだよエレン。悪い話じゃないだろ?ひとまず危機が去るんだからな。」
何を言ってやがる。冗談か。本気か。ハンジさんとナナが疑っているということは、俺の中ではほぼこの2人は黒に近いと思っている。
ライナーがなぜ今そんなことを暴露してきたのか。
ベルトルトは動揺している。
ライナーがこんなことを口走ったことが、想定外だとでも言いたそうだ。
「う~~~~ん、どうだろうな……。」
数歩先にいた、ミカサに目線を送った。ミカサはそれを見ただけで――――状況を理解した。