第114章 日々 ※
「睡眠は質だ。欲を発散しきって快眠したら身体にも良さそうだが?」
「もう、また、適当な……っ………んぁ…っ……!」
まだ抵抗の意を見せるナナを多少強引に組み敷く。
「――――諦めろナナ。もう俺は抱くと決めている。」
「……あ………。」
唇が触れる瞬間まで瞳の奥を見つめたまま深いキスを贈ると、観念したようにその体の緊張を解いた。その表情は潤んだ瞳と紅潮した頬と半開きの唇が艶めかしい。何度だって乱したくなる。
「―――エルヴィン………、ごめん……なさい……。」
「ん?」
「……私……気持ちよく、なりたい……。」
ナナが目線を逸らして顔を真っ赤にしたまま俯きながらねだる。いつも自分の快楽よりも俺の快楽を優先するナナからの欲に浮かされた言葉はとても厭らしく聞こえて、また俺の嗜虐心を煽る。
「ああいいよ。トばしてあげよう。君の弱いところは――――知り尽くしてる。」
ナナが俺を受け入れて慰めるために抱かれているのだとしたらやるせないと思っていた。けれど、こうしてナナが自らの快楽の為に俺を求めてくれることが――――嬉しい。こと彼女に関しては単純な俺は、そのおねだりをどうやって嫌程叶えてやろうかとニヤリと笑った。
それを見たナナは―――――一瞬、怯んだような表情を見せたあと、俺の与える快楽を想像したのか、うっとりと目を細めて俺に口付けた。