第85章 逢瀬 ※
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エルヴィンと繋がる瞬間は、目を閉じる。
ほんの少し感じる痛みが、彼にバレないように。
あと――――その熱と、身体をかき分けられる悦びを、より感じられる気がするから。
簡単に私の最奥まで到達したことを感じて目を開くと、髪を乱して男の色気を具現化したような風貌のエルヴィンが、私を見下ろしている。
「――――そう言えばナナ。風呂も入らずにセックスしてるが、嫌じゃないのか?」
「――――……!」
エルヴィンの意地悪な問にようやく気付いた。
そんなことがどうでもいいくらい、彼を求めていた。
恥ずかしくて、視線を逸らしたまま頷く。
「――――ならいい。動くよ。」
エルヴィンはふっと笑って断りを入れ、抽送を始めた。
十分過ぎるほど濡れているとは言え、その質量で掻き出されて突き刺されるだけで、中がどうにかなってしまいそうなほど刺激的だ。
「んっ、あ、ぁああっ……や、だめ……っ……ひあぁっ……。」
「――――声にならずに喘ぐ君も煽情的だったが―――――、やっぱり、この声で、鳴くナナが、一番だな……!」
いやらしく響く粘液が混ぜられる音と、その匂いでくらくらしてくる。
もう、このまま全て飲み込まれて―――――エルヴィンの腕の中で、果てたい。
その願望を叶えるために、両腕を伸ばしてエルヴィンを捕まえる。