第67章 下準備 ※
「――――……くれぐれもナナから目を離すなよ。お前が守れよ、今度こそ。」
「―――――ああ、そうするよ。」
エルヴィンはふっと笑った。
「よしっ!そうこなくちゃ、私はさ!子供たちに向けて巨人の素晴らしさを紙芝居かなんかで語ろうかと思うんだけどどうかな?!」
「―――――やめろ気持ち悪ぃ。ガキが泣き叫ぶ姿しか想像できねぇ。」
「えぇぇぇーーーーー!!じゃぁさ、私が巨人の着ぐるみを着て鬼ごっこするとか――――――」
「やめておけハンジ、子供たちにとってただのトラウマにしかならない。」
「えぇぇえ―――――――。」
うるせぇハンジを横目に、窓からナナを見下ろすエルヴィンの横顔があまりに甘ったるくて、愛おしいと書いてあるような表情にイラッとする。
「―――――若干不本意だが、俺も手伝おう。」
ナナのやりたいこと、やれることに手を貸してやるとするか。エルヴィンと共に、せわしなく動き回るその姿を目で追った。