第60章 慕情 ※
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「んっ…、ぁ、ッ……や……、んぅっ………!」
俺の私室のベッド―――――――真っ白なシーツの上で声をかみ殺して喘ぐナナを見下ろす。
眉間に皺が寄らない程度に加減して、その体内を堪能する。
弾む柔らかく白い胸は俺の掌に簡単に収まるほど小ぶりだが、吸い付くような肌が心地いい。
「―――――痛くないか……?」
「………だ、大丈夫……で……す、ぁ……、……ん、くっ……。」
「ぁあ……いい……っ………ナナ、君は……その魅力的な内面だけじゃなく、体まで俺を悦ばせる仕様に……っ……できてるんだな………。」
「――――――ぁ、やあっ…………!」
浅く抜き差ししていたが、たまらず最奥を突きあげると、ナナの中が俺を締め出そうと一層収縮して絡みついてくる。
長く細く息を吐いてこの沸き上がる欲望を何とか抑えなければ、獣のようにナナを蹂躙してしまいそうだ。
ふーーっ…と何度も息を吐く俺を見て心配になったのか、ナナはその細い指を俺の頬に添えた。
「――――……我慢、してる………?」
「………ははっ……ああ、してるよ………。君の体に負担はかけたくない……。」
「………そんな簡単に、壊れないから………いい、大丈夫………。好きに、して………?」
「――――――ナナ。君は本当に―――――危険だ。」
それでなくても相当溜まっていて、今すぐぐちゃぐちゃになるほど奥まで満たして鳴かせてやりたいと思う。
それと同時に全てを受け入れようとするナナの危なさを諭せる大人でありたいという見栄もある。
ナナの寛容さに甘えて欲望を注ぎ込めば注ぎ込むほど――――――抜け出せなくなるだろう。
そう言えばリヴァイが言っていたな……一度ナナを抱くと、他の女とヤるなんて考えられないと。
―――――そりゃそうだろう。
美しい顔が羞恥に燃え、無垢な身体を白濁に染め、男の欲望をあるがまま受け入れ、知的な彼女が愛欲に溺れていく様なんて見てしまえば、身体の快楽だけでなく、さぞかし自尊心や虚栄心が満たされて心の快楽まで得られてしまう。
そんな悦楽の地獄から、そう容易く抜け出せるわけがない。