第2章 優しいその手ー風柱・不死川実弥
それからしばらくして、私は長期にわたる休みをとった。
「よお!その後調子はどうだ?!」
「お陰様で…元気に生まれてきてくれそうです。」
「にしてもびっくりだよなぁ。不死川に最初の柱合会議で泣かされてたのに…違う意味で泣かされる日がくるなんてな?」
宇随さんは意地悪そうに笑った。
「ちょっと…!やめてくださいよ~!」
そう言って宇随さんの腕をバシバシ叩く。
「いてぇ!わ、悪かったって!」
「ふふっ」
「まあ、みんなお前のこと気にしてっからよぉ、元気な子が生まれたら、ちゃんと見せに来いよな!」
「もちろんです!」
私が宇随さんとしばらく話していたら、ものすごい気配がした。
「うわ、あんな怖い奴でほんとによかったのか?」
「ははは…ほんとは優しいですけど、嫉妬深くて…じゃあ行きますね!」
「おう!あんま走んなよ!」
私は宇随さんに手を振って、愛しい人の元へと向かう。
「実弥さん!」
「宇随と随分楽しそうだったじゃねぇかァ?」
「はいはいごめんなさーい。ほら、おはぎ作るって約束でしたよね?帰りましょう?」
「おう。」
これから先も、
愛しいあなたと、愛しいあなたとの間に生まれた儚い命も…
ずっとずっと大切にしたい。
優しいその手で私のことを大切にしてくれたように、私もあなたみたいに優しく。
包み込めるように…。