第18章 ただ私は蘭ちゃんの過去の写真が気になっただけなのに【後編】
「竜胆〜見てみてぇ拾った♡」
「はっ?えっ?誰?」
まさかお姫様抱っこのまま蘭ちゃんの住まうマンションへ連れて来られ若い頃の竜ちゃんにも出会う事になるとは思わなかったりする。いや、まぁ…兄弟だし2人はニコイチなくらい仲良しだからきっと会うとは思っていたけれど。まさかこんな急に会う事になるとは思わなかったのだ。因みに蘭ちゃんは私を捨て猫のように見せており、竜ちゃんは混乱しながら私を見ていた。
「竜胆、眼鏡とフード外せ?面白ぇもん見えるぞ?」
「はぁ?何で俺が…」
「良いからやって見ろよ。俺は両手塞がってるしコイツは嫌がって自分から取らねぇんだもん♡」
「……はぁ。取って何か変わるようなもんじゃねぇーー…だ、ろ……はっ?」
無理やりフードを剥ぎ取られ視界が明るくなり、眼鏡を取られてしまった。まとめてあった髪を見られてしまい、不安げに竜ちゃんを見上げる。そんな竜ちゃんは石化したように私をポカンとした顔で見下ろしていた。
「な?びっくりするくらい可愛くて連れて来ちゃった♡」
「はっ?ぇ、な…んで…女の子、がいる訳?」
「だから拾ったつってんだろ〜?」
「いや、拾ったって…流石に、誘拐は不味いんじゃ…」
竜ちゃんの言葉に誤解だと説明する、私の声に素早く反応した竜ちゃんはビクッと肩を震わせ「はわわわ♡」と口元に手を添えていた。いやうん…今も昔もお変わりなくて何よりです。
「ひぇっ…可愛い♡えっ?俺にも抱かせて?」
「だぁめ♡栞は俺のだから」
「へぇ栞って言うんだぁ…名前まで可愛いとか、本当なんなの?♡」