第4章 あ~あ…俺何かに捕まって可哀想に♡
いや、だからってTシャツ一枚で来る奴があるか?襲って下さいって言ってるようなもんだろ!巫山戯んなよ、コイツ!いや…それにしても目に毒だ、Tシャツから見える首筋とほっそりした手足に目がチカチカする。しっとり濡れた艶のある髪や、風呂のせいで頬が紅潮しているのがありありと分かってしまってギリギリと歯ぎしりしてしまった。
「はぁ…もう寝ろよ」
「えっと…どこで?」
「俺の寝室、場所は教えたろ?」
「でも…春ちゃん、さんは?」
「は?俺はここで適当に寝るけど?」
「えっ、駄目!私がここで寝ます!」
「うるせぇ、栞は女の子なんだから体壊しちゃ元も子もないだろ」
「……や、優しい」
「春ちゃんは初めから優しいですぅ~ほら、俺の事気にしてねぇで今日はもう寝ろ」
寧ろ早く行って欲しい、じゃねぇとそろそろ本気で襲うぞ。そんな厭らしい格好で俺の前をうろちょろするなと言いたい。栞はと言えば呑気なものでぺこりとお辞儀して「お休みなさい、春ちゃん」と笑い寝室の方へと歩いて行ってしまった。その笑顔にまたやられてしまい身悶えた俺がいる。
「はぁ…俺、こんな感じでやって行けんのかぁ?」
未だ栞のあの姿がチラついてしまい、ネクタイを緩めながら「あ゙ぁ゙~…」と苛立つような声を漏らした。