第4章 Rally
2度目のタイムリープでわかったことが2つあった。
タケミチと双葉が過去に行っている間、2人の身体は仮死状態となっていた。
まるで魂が抜けたかのように。
そしてもうひとつは同じ日の12年前にタイムリープして、そこで1週間過ごすと、現代も同じように1週間過ぎること。
またタイムリープしてる間は過去に意識がいっているため、現代の身体は空の器となっている。
だから仮死状態になるというのだ。
なので、タイムリープするときはナオトの部屋でやることになった。
『そしたらタイムリープしてる間のことを自分でも対策しないとな……』
「どゆこと?」
『私やタケミチくんがナオトくんの部屋にいるっていうのは、この3人しか知らない。1週間も姿も連絡もしなかったら、関わってきている人が心配だったりするよね?』
「えっと……」
『タケミチくん、多分バイトクビになってるかも』
「えぇ?!」
『だって、バイト先に休みますって連絡してないでしょ?無断欠勤が1週間も続いたら……ねえ?』
「マジか……」
タケミチは青ざめてショックを受けていた。
双葉はこの事を身内の信用出来る人に話したいと2人に相談した。
「なぜですか?」
『警察の方には裏の理事官に説明したから、表向きは有給消化中。裏では東卍の捜査をしているってなってるからいいんだけど、今たまに帰っている兄にはこのことを説明してないの。で1週間も音沙汰無しだと流石に心配するだろうから……』
「双葉さんが信用出来る方でしたら大丈夫ですよ」
『そしたら連絡して、ここに来てもらおうと思うけどいいかな?』
「えぇ、大丈夫です」
『なら良かった』
話が終わると、ナオトは再び口を開いた。
「で、結局。話を戻しますが……“佐野”と“稀咲”、2人を出会わせないミッションはどうなったんですか?」
「えっと、マイキーくんとは会ったよ。そして双葉ちゃんとも会えた」
『そだね。でも稀咲とはまだ会えてないんだよね……』
「マイキー?」
『あぁ、佐野万次郎のあだ名だ。彼は“無敵のマイキー”って呼ばれているからな』
「なるほど……」
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