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裏夢・短編 詰め合わせ【東リベ etc.】R18

第6章 東京卍リベンジャーズ・龍宮寺堅




「……じゃ…ご馳走さん」

「ご馳走さま〜」

『ありがとうございました…………ぁ……龍宮寺先輩!』


歩き出した背中に声を掛けられ
俺は振り返った


「?」

『今度…デートしてください♪』


昔と変わらない笑顔に
思わず笑ってしまった


「…ハハ……今度な…」






次の交差点で三ツ谷と八戒と別れ
俺はひとりで歩き出した


初夏の少し手前の
気持ちの良い夜風が頬を撫でていく






彼女と一緒に帰った日の夜

ずっと手を付けられないままだった
タイムカプセルに埋める手紙を書いた


未来の自分にあんな前向きな言葉を送ることができたのは
俺の周りで起こった色んなことなど何も知らない彼女の笑顔に
救われたからだったのかもしれない



そこまで考えて
俺はふと足を止めた



(……何も知らない?……そんな訳ねーよな…)









卒業式の日
泣き腫らしたような目をした彼女から、制服のボタンが欲しいと言われた


けれど
第二ボタンを外そうとした俺を
小さな声が制した


『先輩?』

「…?」

『…そのボタンは……誰にもあげちゃダメです…』

「…あ?……でもオマエが欲しいって…」

『……私には…3番目のボタンをください…』


言われるまま
第三ボタンを外して渡すと

彼女は『宝物にします』と言って、嬉しそうに笑った









もしかしたら彼女は

あの時の俺の状況も
俺の気持ちも
全て分かっていたのかも知れない


分かった上で
変わらない態度で接してくれていたんだ




「……フッ……何だよ…" 織月レイナ "のくせに…」


独り言を呟いて、俺はまた歩き出した




(……そういえば…メニューにイヌピーの好きそうなツマミあったな………近いうち…連れて来てやろ…)



気持ち良く酔った頭でそんな事を考えながら
丸い月を見上げる








"大人になるために必要なモノを 探す旅をしろ"









柔らかな南風に


そっと背中を押されたような気がした…




















龍宮寺堅 夢小説『2コ下の後輩』end.





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