第6章 東京卍リベンジャーズ・龍宮寺堅
『……え?』
「………ぁ………デート…っつーか……コレのお返しな…」
何故だか無性に照れ臭くなってきて
苦笑いしながら空になったチョコレートの箱を振ると
彼女は直立不動のまま
小さな声で言った
『…………ホワイト…デーの日……』
「…んー…分かった。…どっか行きたいとこあるか?」
『…ぇ……と……一緒に帰ってください!』
「……?………そんなんでいーのか?」
『……そんなんで…って……いいんですか?……先輩…その日は予定あるんじゃ…』
「予定?…特にねーよ…」
『……じゃあ……本当にいいんですか?』
「おー」
『ホントにホント⁇』
「…お、おぅ」
『……絶対……約束ですよ!』
「おう」
俺が笑って頷くと
彼女はピョコンとお辞儀をして
屋上のドアから出て行った
『きゃーー♡夢みたーい』
階段に響く
彼女の声が聞こえた
そして
それから数日の間に
俺の人生の全てがひっくり返るような事が
立て続けに起こった