第6章 東京卍リベンジャーズ・龍宮寺堅
洗い物が終わり
店の忙しさが一段落すると
彼女が『サービスです♪』と言ってツマミを出してくれた
「わぁ…どうもありがとう」
「おー…ありがとな…」
「……」
美味い肴のせいで
酒がドンドン進んだ
彼女が何杯目かのお代わりのグラスを持ってきた時
すっかり饒舌になっていた三ツ谷が言った
「……それにしても意外だったな〜……ドラケンが女の後輩から慕われてたなんて…」
「あ゛?」
俺が眉を寄せて
三ツ谷の言葉に頷いている八戒を睨むと
八戒は顔を引きつらせ
両手でこめかみをガードした
「……クスクス……2個上のこんなイカツイのと…よく仲良くできたね…」
『…仲良くなんてとんでもない!……私が…勝手に憧れてただけです…』
距離を置くような彼女の言い方に少しだけ引っかかった俺は
無意識のうちに反論していた
「…ぁあ?……オレは親しくしてるつもりだったけど?」
『…………え…⁇』
「……学校で話し掛けてくる女なんか…めったに居なかったからな………つーかオマエ…オレにチョコレートだってくれたろ?」
『……わわ……覚えててくれたんですか…』
「は?…デートまでしたんだから忘れる訳ねーじゃねーか…」
「デート⁇」
目を丸くした八戒が裏返ったような声を上げると
彼女は赤くなった顔をお盆で隠すようにして『失礼します…』と言い
厨房に引っ込んでしまった
「………クスクス………ドラケン……オマエ、わざとやってるだろ…」
「あ?…何がだよ」
訳が分からないでいる俺を
三ツ谷と八戒は新しいおもちゃを見つけた子供のような目で見ていた