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裏夢・短編 詰め合わせ【東リベ etc.】R18

第6章 東京卍リベンジャーズ・龍宮寺堅




『…こちら…"アノ"三ツ谷さんと柴さんですか?』

「…ぇ……何でオレらの事知ってんの…」


フリーズしている八戒を横目で見ながら三ツ谷が聞くと
彼女は当然のように答えた


『そりゃあもう…伝説の方々ですから!』


その言葉で
当時、彼女はギャルというよりヤンキー寄りだった事を思い出した


俺が言うのもなんだが
知らない人から見たら少し近寄りがたい雰囲気を持っていて

今の見た目にも
どことなくその名残りが感じられた



そんな彼女は
中1の頃
同中の3年だった俺にどういうわけか好意を持ってくれていて

しかも
それを周りに隠そうともしなかった







『龍宮寺先輩!』


初めて会ったのは
入学式があった日の放課後だった


『…1年に入った織月レイナです!よろしくお願いします!』


昇降口で呼び止められ
そんな風に挨拶をされた


派手な金髪
大きめの輪っかのピアスをつけたその女は
まだ幼さの残る顔に化粧までしていた


女のくせに挨拶なんて珍しいなと思いながらも
「おぅ」と一応返事をする

そのまま帰ろうとした俺に
彼女は言った


『……あの……握手してもらえますか?』


思いがけない言葉を突然言われ
理解が追いつかないまま右手を出すと

彼女は
小さな手で俺の手を握った


『…あ、ありがとうございました‼︎』


彼女は顔を真っ赤にして礼を言うと
頭を下げ
逃げるように廊下を走り去る


「……何だ…今の…」


呆然とする俺の耳に
遠くの方で『キャー♡』と叫ぶ声が聞こえた










「…今日は?ひとりで飲みに来たの?」


三ツ谷が聞くと
彼女は首を横に振った


『…いえ…この店実家なんです。……去年父が亡くなってから…兄と母の2人でやってて……私は昼間は違う仕事してるので…遅い時間だけ母と交代して手伝ってるんです』

「…そうなんだ…」

『……はい……あ…突然お邪魔してすみませんでした!…ゆっくりしていってください♪』


彼女はそう言って笑顔でお辞儀をすると
カウンターの向こうへ入り
エプロンを着けて長い髪をクルクルとまとめた


「…ドラケンの後輩かぁ……明るい子だな…」

「……あぁ…」


洗い物をしている彼女の横顔に昔の面影が重なって

俺は懐かしい気持ちで微笑んだ



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