第5章 東京卍リベンジャーズ・松野千冬
☆ おまけ ☆
レイナの手を引いて千冬が出て行った後の八戒の家
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ドアの閉まる音が聞こえると
八戒はパチリと目を開けて体を起こした
「……あーーー……すっげーヒヤヒヤした………千冬がタカちゃんぶん殴っちまうんじゃないかと思った…」
「……千冬はウチの狂犬だからな…………三ツ谷ァ……本当にこんなんで上手くいくのかよ…」
「……あぁ………あとちょっと素直になれば…絶対イケるんだよ………なのにアイツ……自分の気持ち伝えること怖がっててさ……………でも……そうも言ってられない状況になったら……思い切って…踏み出せると思う…」
「……さすがタカちゃん♪………千冬……勇気出せるかなぁ…」
「……ま、三ツ谷の作戦だから間違いねーだろ。……千冬のヤツ……普段優しいけど…ふっ切れるとイケイケなトコあるし…」
「確かに!」
「……アイツは優し過ぎんだよ…………あー…心配になってきた…………オレ……夜…電話してみるワ…」
「……三ツ谷もたいがい過保護だよな…」
呆れ顔のドラケンに
三ツ谷は小さな声で答えた
「…………何か………嬉しいんだ。………" 一生立ち直れる訳ない "って……絶望して泣いてたアイツに………また…大切な人ができたなんてさ……」
「……」
「…………無理して立ち直らなくたって………その気持ちを大事にしまったまま……前に進めるんだよな……」
「………そうだな…………アイツは…そういう強ぇー男だ…」
その言葉にハッとして顔を上げた三ツ谷に
ドラケンは力強く頷いた
「………?………ねー……何2人で嬉しそうに笑ってんの?」
八戒は
ドラケンと微笑み合っている三ツ谷の側ににじり寄った
「……ねーねー…タカちゃん……オレにも今夜電話して?」
「……何で朝から一緒に飲んでる奴に…夜また電話しなきゃいけねーんだよ…」
「……ちぇ……何だよ…千冬ばっかり……こーなったら俺もタカちゃんに恋愛相談乗ってもらうからね!」
「………ぇ………八戒……お前…好きな奴いんのかよ…」
「いるよ?目の前に」
「………ハァ……」
三ツ谷のかわいい弟分達は
この先もまだまだ手がかかりそうだった…
《 松野千冬 編 ☆ おまけ ☆ end. 》