第16章 東京卍リベンジャーズ・佐野万次郎
「………オレ……いつかこの衝動に乗っ取られちまう…………自分で…自分が抑えられなくなる……………分かるんだよ…………だから、タケミっちの話聞いた時……" やっぱりそうなんのか " って納得しちまったんだよな…………" 嘘つけよ " って…怒れなかった………………っ……そんで…オレみんなの事殺して……最期は警察に頭撃たれて死ぬんだってさ…………なんなんだよマジで……」
場地の前では絶対に泣きたくなくて、俺は空を仰いだ
噛みしめた唇からは、微かに血の味がした
「……その話聞いた時………タケミっちがずっと側にいて、オレを叱ってくれたら…正してくれたら、って……そう思ったりもした。………でも……アイツの居場所は未来なんだ。……アイツには帰る場所がある……オレの為に引き止める訳にはいかねーんだよな。………………だからオレはオレのやり方で……自分の力で何とかしなきゃなんねぇんだ…………………それで……離れるために仲間を殴った。………アイツらが…オレを嫌って見捨てて……心の底から二度と関わりたくねぇって思ってもらえるように…………………みんなと一緒に笑っていられない未来は寂しいけど……こうするのが一番いいんだ。………………なぁ、場地………オレらに本当の事を言わずに芭流覇羅に行く道を選んだオマエなら……分かってくれるよな…」
その時
突然、後ろから声がした
『…万次郎?』
振り返ると
すぐ側にレイナの姿があった