第15章 東京卍リベンジャーズ・黒川イザナ
イザナに気遣われている事を自覚してから
私の心の中では
" 自分はもう彼には相応しくない。身を引いた方がいい " という思いと
" このまま側に居たい。離れたくない " という思いがぶつかり合っていた
けれど
私のそんな卑屈な感情さえも、イザナは優しく包み込んでくれた
昔からどこか頼れる兄のような所があった彼は
その言動の端々から " オマエの居場所はここだ " と、繰り返し伝えてくれた
自分の存在がたとえ負担になっていたとしても
否定すること無く受け入れて、側に居てもいいと思わせてくれた
私はいつしか
そんな彼に甘やかされるまま、全てを委ねるようになっていた
・
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『…………愛してる…』
言葉と共に溢れ落ちた雫が頬を伝う
気配を感じて目を覚ましたイザナが
レイナに気付いて微笑んだ
「………レイナ………学校、行かなかったのか?」
『……行ったけど、早退した…』
「…クスクス……不良だな…」
『…………早く……イザナに会いたかったの…』
そう言ったレイナの頬が濡れていることに
イザナは気が付いた
「…………来い…」
イザナはレイナの手を引き寄せ
ベッドに横たわらせると
腕の中にそっと抱きしめて、柔らかな髪に鼻先を埋めた
「……オレも……早くオマエに会いたいって思ってた…」
イザナの言葉に
胸元に額を擦り付けていたレイナが、ゆっくりと顔を上げた
『……』
優しい声でそんな風に言われると
また、甘えたくなってしまう
" 全てを受け入れて欲しい " と、寄りかかりたくなってしまう
『………イザナ…』
(……抱いて…)
懇願するような瞳に
イザナは優しく微笑み返した
「……」
そして
彼女の想いに応えるように
柔らかな唇に、そっと口付けた