第3章 東京卍リベンジャーズ・半間修二
使われてない古い雑居ビルのフロアに
彼女を連れてきた
ここは
半間の隠れ家だった
裸電球を付け
床の上に座って
折れた天使の翼をなおしはじめる
レイナは隣に腰をおろすと
膝を抱えて半間の手元を見ていた
曲がった骨組みを伸ばして形を整え
軽いアルミの棒で目立たないように補強する
「…出来た」
レイナの方を向いた半間は
いつの間にか彼女の視線が手元ではなく
自分自身に向けられていた事に気付いた
抱えた膝の上に
ちょこんと顎を乗せたまま微笑む
その笑顔に吸い込まれるように
半間は顔を近付けた
長いまつ毛がゆっくりと伏せられて
唇に柔らかいものが触れる
角度を変えて啄むと
彼女の手が
半間の頬をそっと包んだ
『……死神さん……私、アナタの事…』
言葉を遮るように
深くキスする
互いの舌を絡め合わせると
何もない部屋に
水音が響いた