第8章 東京卍リベンジャーズ・乾青宗
薄暗い部屋のベッドの上
乾の腕の中にはレイナの無防備な寝顔があった
彼女の小さな寝息だけが聞こえる
静かな夜
閉じられたカーテンの隙間に目をやると
真っ黒な空から白い雪が落ちてくるのが見えた
「……」
柔らかな毛布を引き上げ
はだけている肩を包むと
レイナの口元が少しほころんだような気がして
乾は思わず微笑んだ
幾つもの別れを経験し
思い通りにならないことばかりだった過去
それでも夢を諦められず
もがいていた日々に
いつしか
自分自身が押し潰されそうになっていた
この先もきっと
不器用な生き方しか出来ないけれど
今度こそ
大切な人をこの手で守っていくと、乾は誓った
(………ココ……………オレ……守りたい人ができたよ…………………寒がりで……弟想いな………笑顔の優しい女の子……)
窓の外の雪から視線を移し
レイナの額に口付けた
(………いつか……オマエにも会わせたいな……)
腕の中の愛しい人を見つめながら
微かな寝息に呼吸を合わせていた乾は
そっと瞼を閉じ
安らかな眠りへと落ちていった…
乾青宗 夢小説『Holy night』end.