第3章 パッショーネと
そしてジョルノはギャングになると宣言してから数日私の元に現れなかった。
「さすがに心配だな…」
そう思い、こそっとジョルノの寮を覗きに行った。
学校は授業中で生徒はいなかったため、侵入は容易だった。
「ジョルノの部屋は…ここね」
以前荷物を運ぶ際について行った事があったため、しっかり覚えていたし、しっかりジョルノ のいい匂いが部屋にあった。
変体的だが私は確信した。
「んーやっぱいない、って何これ。」
そこにあったのは穴の開いたパンとそれを守るように配置されている本。
「まじ何のためにこんなことしてんの…大丈夫かな…」
そうするとガチャガチャとドアノブが開く音がした。
「(まずい、ここ男子寮だし、私不法侵入だよね!?)」
しかしそこにいたのは小さな日本人…って
「康一くん!?」
「棗さん!?」
「康一くん何故ここに…、ここイタリアよ?しかもここはジョルノ の部屋よ?」
「あぁ、今少し調査で当分の間承太郎さんとイタリアに来ているんです。」
承太郎さん…
承太郎さんとはあれ以来あっていない。ていうか会える気がしない。
「承太郎さんと…何かあったんですよね…?」
「え?」
「あ、いえ、僕は何かあったってことしか知らないので本当に」
ガタンと窓側で音がした。
「猫ですかね?あ!パスポートパスポート!!」
「多分そこの引き出しに入っていると思う。それはジョルノに盗まれたのね。あの子ったら。」
本当この数年で手癖が異常なくらい上達したんだか何だか。
「棗さん、ジョルノ・ジョヴァーナとお知り合いなんですか?部屋にいるってことは親しいのでしょうけど…」
「あ、いえいえ、気にしないで。ただの幼なじみよ。ささ、パスポート持ったでしょ?帰った帰った!」
またまたガタンと窓の外で音がした。猫にしてはうるさい。
「僕ちょっと見てきますね」
「ちょ、康一くん!!」