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anthology

第2章 出会い


----10年前


「ハル!またご飯食べてないの!?」


「・・・これくらいいつ「だめ!」
「うちに来て食べるの!」

私たちの出会いは今から十数年前に遡る。
初流乃・・・ジョルノとであったのは日本。うちの校区に住んでいた若いきらびやかな女性のもとに生まれ、育児放棄している、というのをうちの両親が聞きつけ、たまにご飯や生活的なところをサポートしていた。

しかし、初流乃は母の再婚とともにイタリアへ渡った。私も母の母、いわゆる祖母の家がイタリアにあるために、初流乃を追うようにイタリアへ移り住んだ。

日本で初流乃と過ごし、初流乃を助けたい、初流乃に対して親族のような親しみや愛情が芽生えた。
その時、ガンズアンドローゼズは私の前に現れた。
10歳の私には理解できないことだったし、ガンズの見た目は禍々しいもので直視できないものでもあった。

そんな中、初流乃の体にはアザが日に日に増えていった。


−–再婚したあのおじさんのせいだ。


私は瞬時に察した。

「ハル・・・その傷・・・」

「いや・・・なんでもない。今日はもう帰る。バイバイ、棗姉」


そういって石造りのアパートが立ち並ぶ道沿いを小さい背中は消えていった。


「ハル・・・・。」

彼は5歳にして大人のような冷静さがある。あの母親から十分な愛情を注がれなかったからだろう。
そして瞳の奥にある悲愴感。
10歳の私もその影を感じられるくらい寂しいものだった。

そしてあの事件から10年が経った。







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